JAPA報 Vol.18

軌跡を刻む、未来を描く

周年記念事業の「失敗」から学ぶ、組織を壊さないための分岐点

周年記念事業は、企業の歴史を祝い、未来への結束を高める絶好の機会です。しかし、一歩間違えると「多額の予算をかけた自己満足」に終わり、社員の離職やブランド毀損を招くリスクもあります。よくある4つの失敗パターンから、回避策を探ります。

1. 現場を疲弊させる「内輪ノリ」の押し付け

最大の失敗は、経営陣と現場の温度差です。通常業務に加え、記念イベントの練習(ダンスや合唱など)を強制したり、準備を丸投げしたりするケースが典型例です。また、記念品が「社長の顔入りグッズ」や使い道のない置物など、社員のニーズを無視した内容であれば、不満は増えていくでしょう。結果、事業終了後に「この会社は現場を見ていない」と見限られ、離職者増加につながりかねません。

2. 目的不明な「バラマキ」と予算浪費

「周年だから何かやる」という義務感だけで動くと、投資対効果(ROI)は得られません。ターゲットを絞らず高価なカタログギフトを全方位に送ったり、新聞広告に巨費を投じて戦略のないメッセージをするのは、資源の浪費になります。明確な戦略がない投資は、長期的なブランディングや売上に寄与しにくいでしょう。

3. 歴史の「美化」と現状のギャップ

社史編纂などで「都合の悪い事実」を隠蔽し、きれいごとだけで構成するのも危険です。現代の社会情勢や過去の不祥事から目を背けた美化は、外部からの批判を招くだけでなく、内情を知る社員から「嘘ばかりだ」と冷ややかな目で見られることになります。伝統に固執しすぎると、若手や市場から「変化できない古い会社」とレッテルを貼られるリスクもあります。

4. 準備不足による「当日トラブル」

大型式典やオンライン配信で、プロジェクトチームの権限が弱く意思決定が遅れると、直前の混乱を招きます。配信トラブルで社長のスピーチが途切れるといったミスは、「管理能力のない会社」という印象を取引先に与えてしまいます。

失敗回避の「逆引きチェックリスト」
【対社員】一方的な押し付けではないか?
解決策:企画段階から若手や現場の意見を取り入れるアンケートを実施する。
【戦略】手段が目的化していないか?
解決策:なぜやるのか(感謝、変革、再定義)を最初に言語化する。
【運営】リソースは足りているか?
解決策:外部の専門業者を適切に活用し、事務局の負担を軽減する。
【未来】単発イベントになっていないか?
解決策:周年を次の10年の「スタート」と定義。

周年事業を「過去の振り返り」ではなく「未来への投資」へと変える鍵は、社員や顧客というステークホルダーへの真摯な想像力にあります。

文・國場 みの/ライター

周年記念に関する
おさえておきたいポイント

社長が自分自身をねぎらう機会に
その姿勢が、
会社にも良い影響を与える

日々の経営に追われるなかで、社長が自分自身の歩みを振り返る時間はほとんどありません。売上や資金繰り、人材など、常に判断を迫られ続けているからです。
その結果「立ち止まること=怠けること」のように感じて、自分をねぎらう意識が希薄になっていきます。

そんな“がんばる”社長が、自分をねぎらえるタイミングが、周年記念。

創業時の不安、思うようにいかなかった時期、周囲に弱音を吐けず孤独を感じた瞬間もあったはずです。
先代から承継した社長もまた、受け継いだ側としての洗礼があったことでしょう。

試練にあっても諦めず、続けてきたからこそ、今の会社があります。

こうした自らの歩みを、社長自身が認める姿勢は、社員にも大きな影響を与えます。節目を大切にする会社は、努力や継続を評価する会社だと伝わり、社員の誇りや帰属意識にもつながります。
社長が胸を張って周年を祝うことは、次の世代へバトンを渡す準備でもあるのです。

周年とは、過去と未来をつなぐ節目。
まずは社長が、その価値を受け取っていいのではないでしょうか。

文・田本 夕紀/ライター

今週のトピックス
〈 響 く 話 〉

〈響く話〉シリーズは、各界でご活躍の方々が語られた、心に響いたお話を紹介しています。

=今月は、山田ズーニーさん

考えてもどうにもならないのが人生の常。
でも、考えた分だけ、考える力は鍛えられていく。
いつか人生で本当に行き詰まった時、多角的に、多面的に、論理的に、創造的に考えて、見事に壁を突破する「生きる筋肉になっている」と思う…

そうですね、考えてもどうにもならないは定説ですね、
行動こそが全てと、巷では言われていることです。
だらといって、考えなくして、直感的行動だけでは、よろしく無いという事でしょう…

筋肉は年齢に関係なく育つといいます。
特に会社の経営となれば「生きる筋肉」は重要です!

文・長井 伸樹/プロデューサー

今月の名言/銘言

『強運3原則』
争わない、競わない、揉めない。

と、ある方より….
               完璧にそうですね!!

文・長井 伸樹/プロデューサー

メンバーコラム

國場 みの Mino Kokuba
このコーナーは、JAPAメンバーの自由投稿です。メンバーがリレー式で投稿します

2025年が終わり、2026年が始まったと思ったら、疾走する馬の如く、ダイナミックに活動されている方も多いのではないでしょうか。先日、ある士業の方から、弊社が抱えている取引上の困りごとに対してアドバイスをいただきました。私が所属している経営者の慈善団体で会長を務める方で、的確な解決策を提示していただきました。自分の素人知識では論理だてて考えられない解決策だったので、目から鱗が落ちる心持ちでした。その団体に所属して約1年程度。それなのに、快く力を貸していただけることが、ありがたく……。一度、所属したらすぐに目に見えての結果を感じられなくても、長くいることを心がけていますが、やはり、なんでも短期目線で物事を判断してはいけないなと改めて思いました。スピードが増す時代ですが、人に関わることは中長期的に考えることが大切な気がしています。

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